札幌市においても新型コロナウイルスワクチン接種が医療従事者を中心に開始されており、今後は高齢者や基礎疾患を有する方へ対象を拡大していく方針が通達されております。それに関連して、当院通院中の患者様から、「新型コロナウイルスワクチンを接種してもよいか」とのお問い合わせも増えてまいりました。実際に新型コロナウイルスワクチン接種の予診票にも「現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか。」「その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。」との質問事項が書かれており、判断に迷うケースもあるかと思います。
現在本邦で使用可能な新型コロナウイルスワクチンはいずれも生ワクチンではないため、免疫抑制治療中(ステロイドや生物学的製剤、免疫調節薬など)であっても使用禁忌にはあたりません。そのため、当院通院中の患者様で新型コロナウイルスワクチンを希望される場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病の治療内容に関わらず接種して良いとお伝えしております(予診票にもそのように記載して結構です)。ただし、免疫抑制治療中の患者様で新型コロナウイルスワクチンの抗体のつきやすさに差があるかは現在わかっておらず、ワクチン接種が基礎疾患に影響を及ぼさないかという点に関しても十分わかっていないということはご留意ください。